誠の桜に止まる蝶

「本当に大丈夫かい?蝶ちゃん。」

近藤さんがおろおろとしている。

「大丈夫ですよ?」

私は悠然と微笑む。

さっそく私たちは剣道場にやってきた。

ここでは新撰組のほとんどの人が練習をしている。

「蝶ちゃん。無理しないほうがいいよ?」

「ふふっ。沖田さん。沖田さんも私と戦うんでしょ?」

「ああ。そうだけど・・・」

「今は敵同士。敵に情けは無用よ。それと、袴貸してくれてありがとう。じゃあ私軽く外で運動してくるね。」

そういうと蝶はすっと外へ出て行った。

「土方さん。なんで普段あんなこと女の子に言わないくせに言ったんですか?」

沖田は外で体を動かしている蝶を見つめたままつぶやく。

「ああ?別にたまたまだよ。」

「土方さんがきつい言葉を言う人は期待している人だけですよね?」

「ったく・・・うるせえな・・・」

「彼女、強いよ思いますか?」

「・・・・ああ。あいつの目には武士としての光がある。」

「へえ。土方さんがほめるとか気持ち悪い。」

「てめえ・・・今すぐ切り殺してやろうか?」

「遠慮しときまーす♪そろそろ蝶ちゃん呼んできます」

「ったく。ああ。」