「おや、歳、総司。この綺麗な娘さんは?」

近藤さんは人のよさそうな微笑みを私に向けてくれる。

私はとりあえずぺこりと頭を下げる。

そして沖田さんがさっきの流れを一通り説明する。

「っなんて可哀想な子なんだ!!!急にたいむすりっぷとやらをしてしまうなんてとてつもなく大変だっただろうなあ。」

近藤さんは大粒の涙を流している。

そして一人でうなづいた後に急に思いついたような顔をして

「そういえば彼女は歳の歳の俳句を暴露したのか。はははっ。これは度胸のある娘さんだ。」

急に笑い出した。

すごい・・・・百面相みたいによく変わる表情・・・

「笑いごとじゃないですよ近藤さん・・・・」

土方さんはぐったりしている。

「それで?名前はなんて言うんだ?」

「あ、舞桜蝶と申します。」

「素敵な名前だな。」

うんうんと頷いている。

「ありがとうございます。」

私はすこし照れながら頭を下げる。

「それで近藤さん。蝶ちゃんをこの屯所に置きたいんです。」

沖田さんは唐突に告げる。