誠の桜に止まる蝶

沖「そんなに僕、蝶に逢いたいのかな」

一人で苦笑いをこぼしていると土方さんがやってきた。

土「おい総司。」

総「なんですか土方さん。」

土「どうやら今日の護衛夜までかかっちまうらしいんだ。」

それじゃあ今日はもう蝶に逢えないかもしれないな。

そんなことを考えているとふっと土方さんは笑った。

土「そこでだ。夜の巡回をすまねえがお前に任せたい。もちろん終わったら屯所に戻っていい。」

総「土方さん・・・・」

どうやら狐姿の蝶を心配している僕へ配慮してくれたらしい。

総「わかりました。まったく、相変わらずの人使いの荒さですね」

土「うるせえよ。頼んだぞ」

そういってすたすたと戻っていく。

やはり、僕は彼にも近藤さんにも一生叶わないのだろう。

だけど、それでいいのだと感じる。

そんなことを思いながら屯所へと急いだ。