誠の桜に止まる蝶

新「おい総司、蝶ちゃんが気になるのか?」

総「え、なんですすか」

新「今日一日ぼーっとしてっからよ」

確かに気になると言えば気になる。

だけど、この気持ちはたぶんそれとは違う。

彼女は人間だけど、普通の人間ではない。

巫女であり、九尾の狐の血を引く少女だ。

それゆえ、人よりも時の流れが遅い。

それに対して僕は普通の人間だ。

そして、いつ病状がまた再発するかわからない。

君と僕の時間はいつまで交わっていられるのだろうか?

はらりと目の前になにか舞う。

桜?

いいや、雪だ。

すると不意に雪を見上げている蝶の姿が見えた記がした。