誠の桜に止まる蝶

「桜乙女は私のお母様です。だからその娘である私は桜乙女ではありません。」

「あなたのお母様が・・・お母様はどちらに?」

「遠いところに・・・います。」

「そうですか・・・。」

「はい。だからすみません。私では夢の主、刹那のことは目覚めさせられません。どうかお二人とも気を付けてかえってくださいね?」

私は早口で告げる。

「そうですか。わかりました。でも、なにか気になることがあればうちに来てください。たぶん場所はあなたの霊力が知っている。今日はありがとうございました。」

二人は丁寧に頭を下げて帰っていく。

「ふう・・・・」

いきなり話が急すぎる。

「蝶のお母様ってすごい人なんだね。」

沖田さんが私の頭をぽんぽんしながらいう。

「はい。そして素敵な人ですよ?」

「俺もあってみたいな♪」

「ふふっ。沖田さんならお母様に会えるような気がします。そういえばさっきなぜあんなに沖田さん怒っていらしたんですか?」

「え・・・まあ、いろいろとね!」

「ん?」