誠の桜に止まる蝶

「はあ・・・蝶。君は強いよ?でもね?一人で無理しちゃいけない。」

「・・・だからです・・・か・・?」

「女、だからですか?」

「蝶・・・」

私、現代では女に生まれたことを後悔していない。

だけどこの時代、どうしても女だと越えられない壁がある。

女だから、それだけで負けてしまうものがある。

でもそれじゃだめなの。

それじゃ、この怒濤の時代を生き抜く彼らを守れない。

守りたい、だけど守れない。

気持ちが複雑に交差する。

私はそんなことを考えていると気が付けば唇を強くかんでいた。

すると総司さんはそっと唇に手を添える。

「強くかむと切れちゃうよ。それに一人で無理しちゃいけないのは女の子だからってわけじゃないよ?」

「え・・・?」

「蝶はもう俺らの仲間だろ?だから一人じゃない。俺らは互いに助け助けられいきている。もっと優しい言い方をすれば守り守られているんだよ?俺らのことを守ってくれたのはすごいうれしい。だけど、俺らにも蝶を守らせてくれないか?」

そう言って優しく瞳を覗き込んでくる。

「お・・・きた・・・さん・・・。」

涙がとりとめもなくあふれる。