誠の桜に止まる蝶

「歳・・・蝶ちゃんはとてもいい子だ。だけど、剣を握るとまるで別人だな。」

そう言って少し複雑そうに近藤さんはつぶやく。

「ああ。そうですね。だけど、あいつの横顔どこか泣いているようにも見えませんでしたか?


「ああ。とても悲しい瞳をしていた。」

「きっとこつらになにか言われたんでしょう。」

そういうと土方は転がっている男を軽くける。

「あの子は何を一体背負っているんだろうな。」

「わかりません。」

ただ、静かに桜は舞っていく。