誠の桜に止まる蝶

「あなた方3人の暗殺を企てていたので阻止しちゃいました♪まあ、こんなお昼から暗殺もなにもないんですがね。」

私はできるだけあっけからんと言って見せる。

「蝶ちゃん。一人で全員しとめたのかい?」

近藤さんが驚いた顔で尋ねてくる。

「はい。だけど殺していません。全員気絶させただけです。」

「そうか。でもさっきに男の悲鳴は?」

「ああ、顔の横に剣を突き刺したら悲鳴あげました。」

今度は土方さんが面食らった顔で声を発する。

「お前そんなさらっと・・・・」

「言ったでしょう?私はあなた方を守るためならためらいなく切る、と。」

「だがお前・・・」

「土方さん。私はね、大切なものを守るためなら何にだって容赦はしませんよ。だけど私は弱い。結局、剣を鞘から抜くことはできても、他人に向けることなんてできやしないんですよ。」

この先私はこの人たちを守れないんだろうか?

「蝶・・・・」

「ごめんなさい。みなさん。私先に屯所に戻ります。」

「蝶ちゃ・・・」

「近藤さん。俺が蝶の後を追いますよ。」

そういうと沖田は駆け出す。