「もしかして、お前間者か?」

土方さんが刀に手をかけて尋ねる。

どうしよう・・・・

なにか勘違いされているみたい。

ひやりとしたものが背を伝う。

「えっと・・・その・・・」

どもりながら答えると沖田さんがこちらをのぞく。

「蝶ちゃん、そうなの?」

鋭い視線を二人に向けられる。

ど、どうしよう・・・・

あっそうだ!!

私は沖田さんの腕を台にふわりとさっきまでいた桜枝へと舞い上がる。

私の身体の能力はお父様から受け継いだため、ほかの人よりも優れているのだ。

だからこんな芸当はお手の物だ。

「なっ!」

「えっ!」

沖田さんと土方さんは同時に驚きの声をあげる。