ライオンとパンダ

 行かなきゃって思った頭の中とは裏腹に身体は一歩も動こうとはしなかった。

 私は止めることも出来ずに、待ってしまった。

「曽和子何しに来たのよ?」

 少し不機嫌に言った私の顔を見て、曽和子はまた時間を稼ぐように、ベラベラと話しだした。

「お節介しに来たに決まってんじゃない。」

 はぁ?

「いやほら、最後だからさぁお見送りぐらいさせてよ。」

「仕事は?」

「仕事は打ち切ってきた、何か仕事場に爆弾が仕掛けられたみたいでね、仕事になんないのよ。」