ライオンとパンダ

 でも時間稼ぎ何てことに気付きもしない鈍感な自分がいて。

 ただ貧乏揺すりしながら、ただイライラしていた。

「ごめん忘れたみたい。」

「そう、それじゃあ私行くから。」

 イライラしてたからかな、気が付かなかった。

 私の方にね、曽和子が走ってきてるのを。

 それと・・・。

 もう一人曽和子の横を走ってる奴がいたことも。

 色々な雑音がこだまするなか、私を呼ぶ声が空港中に響いた。

「ライオンさーーーん!待って下さい!」