ライオンとパンダ

「それでね、この前ケータイ落としたっていったでしょ、たぶんその時と思うんだよね。」

 えぇ、だいたいこういう展開になるとさぁ、ドラマや映画では過去の映像が簡単に流れて、簡単に説明が終ったりするでしょ、でもこれはあくまで小説なんで。

 おそらくこのまま普通に進めたら曽和子が長々と話しだして、語り部である私が、ただその話しにリアクションするだけというオイシくない展開になりそうなので、ここからは私が説明します。

 どうやら数日前、仕事帰りの曽和子の後ろを誰かがついて来たらしいのよ。

まぁそん時は気にしなかったみたいなんだけど。

次の日も、また次の日も、同じ曲がり角で待ってるように現れるんだって。