隣を歩くタクを見て、口を噤む。



が、遅かった。



「うっぜぇってなんだよ。うっぜぇってよ」



バシバシ私の頭を叩きながら、顔を近づけてくるタク。



うっぜぇはうっぜぇだよ。
まんまその意味だよ。



「あぁん?」



口にでていたらしい。
凄い剣幕でゴチン!
勢い良く額をぶつけてきたと同時、きゃあぁぁあっ凄い悲鳴がおきた。



いてぇよ!



近いし。
口がくっつきそうなんですけど!



「…うるさい、周りが」



特に女の子。
ボソッと呟けば



「気にするな」



瞬時に顔を離したタクはスタスタ歩いて教室に向かう。



気になるわ!こんだけうるさければ!



タクが教室に消えたと同時、殺意籠もった視線を女の子達から投げられた。



…本当、ウザい。