倉庫に着いた瞬間から空気は異様だった。



バイクがズラリ並んでる。
どことなく殺気立ったカラフルな頭の奴ら。



よく見ればかすり傷や、擦り傷が見える。



「あっ正宗さん!」



正宗に気付いた1人がパタパタと小走りで私達の前に駆けてきた。



なんか、子犬みたいな子。
茶金のウルフカットだけど、狼には到底見えない。



「瞬、颯人は?」



瞬って名前なんだね、と正宗の横で彼の名前をインプット。



族とかよくはわかんないけど、似合わないなぁ、とか思ったり。



「あ、あっちっス」



そう言った瞬はさっきまでいた2階の倉庫と対面する倉庫を指して、苦笑い。



「生きてる?」



何その物騒な質問!!!
正宗は眼鏡をクイッと持ち上げて、瞬が指す倉庫に一瞬目を向けて、瞬に再び目線を戻した。


「大丈夫っス。なんか変な事言ってんスよね…」


「変な事?」


「はい…」


「おい!!」



正宗と瞬の会話を遮る様に、突然響いた声。



声の方に視線をやれば、颯人がいるという倉庫からタクがズカズカと歩いてきた。



機嫌悪そうだね…