「はぁ…オメー昨日颯人とタクが通りかかって良かったなぁ?」
私の頭をペシペシ叩きながら灰皿を自分の前に手繰り寄せた修。
痛いんですけど。
…ってゆーか、タク?
「…意味…わかんない」
私はずっと思っていた言葉を吐き出した。
「ごめんね。ちょっと話逸れたね。で、その後は覚えてる?」
にこりと笑みを漏らした正宗までもがタバコに火を付けて吸い出した。
最早この部屋の中は白みがかっている。
…煙たい。
「後は…崩れ落ちた坊主頭を蹴飛ばして…赤髪にタックルして…逃げた……で、気付いたら颯人の部屋にいた…と思う」
「ちょっと待て!お前一番大事な所がぶっ飛んでんぞ?」
ソファーから立ち上がって大袈裟なまでのリアクションをするタク。
さっきからうるさい。
耳元でギャーギャー言わないでほしい。
「一番大事な所って、何?」
タクに聞いてもうるさいから目の前の正宗に視線を投げた。
「あぁ、うーん…てか心ちゃんは何で記憶ぶっ飛んでんだろうね?」
あ…正宗の後ろに死神が見える。
笑顔ではあるけど、眼鏡の奥の目が笑ってない。
怖っ!


