乱華Ⅰ【完】



「お前マジでバカじゃねーかっ!!」



シーンとしていた沈黙を破ったのは右隣、タクだった。
耳元で大声を出さないで欲しい。



私は耳元に手をやり、タクを睨みつけた。



「あ〜あ、かわいそ〜で、そーいや誰だったわけ?その哀れな奴は」



左隣の修は笑いをかみ殺しながら、喉でクツクツ笑って颯人に視線を向ける。



「…佐山と高見」



その言葉を聞いた瞬間再びシーンとなった室内。



「…マジ…か?」



ソファーから身を乗り出した司は私にずいっ近づく。



マジかと問われても私には意味不明だし、佐山とやらも高見とやらも知らない。



…まぁ、恐らく昨日の2人組だろうというのは、会話の流れで想像出来るけど。