「お前マジでバカじゃねーかっ!!」
シーンとしていた沈黙を破ったのは右隣、タクだった。
耳元で大声を出さないで欲しい。
私は耳元に手をやり、タクを睨みつけた。
「あ〜あ、かわいそ〜で、そーいや誰だったわけ?その哀れな奴は」
左隣の修は笑いをかみ殺しながら、喉でクツクツ笑って颯人に視線を向ける。
「…佐山と高見」
その言葉を聞いた瞬間再びシーンとなった室内。
「…マジ…か?」
ソファーから身を乗り出した司は私にずいっ近づく。
マジかと問われても私には意味不明だし、佐山とやらも高見とやらも知らない。
…まぁ、恐らく昨日の2人組だろうというのは、会話の流れで想像出来るけど。


