乱華Ⅰ【完】



昨日の夜…



「昨日は…繁華街にいて…」


「まずだ。お前あんな時間に1人でなんで繁華街にいたんだよ?」



右隣、タクが口にする。



なんだこれ。
尋問じゃねぇか。



「…まぁちょっとイライラしてて?」


「…」



最早タクは何も言わなかったけど、バカじゃねぇの?って目で私を見下ろしていた。



「で、声掛けられて…」



そう。
確かにあの気味悪い2人組に声を掛けられた。



「で、無理矢理路地裏に連れてかれて…ヤられそうになった?」



私の言葉を静かに聞いていた彼らだけど、そこでチッと舌打ちしたのは颯人。



…聞いてないと思ったけど、聞いていたらしい。



「…で?」



で?って…言われても…



正宗はじっと私の瞳を見ていて、正直居心地が悪い。