乱華Ⅰ【完】



喧嘩…?
売った……?



「………は?」



目の前にいるタクからぐりんとまた颯人に視線を移す。
だけど彼は視線を天井に向けて紫煙を吐いているだけ。



「テメェやっぱりバカじゃねぇのか?なんでそんな大事な事忘れてんだよ!?」



おぉ…すっかり空気と化していた司が、ガラステーブルをガンっと蹴飛ばした。



そんな威嚇しても、びっくりしないけれども。



「いや、ってか…は?」



頭が混乱しているわけじゃない。
ただ言われた事の意味がワカラナイ。



「心ちゃん。まず、昨日の夜の行動を思い返してみようか」



司が蹴飛ばしたテーブルを整えながら、少しブラックな笑顔を浮かべた正宗に、正直関わりたくないと思った。



でもそれも今更で、ここが何かは知らないけど彼らのアジト?らしくて、両サイドはガッチリ固められている。



逃げる事は不可能らしい。