喧嘩…?
売った……?
「………は?」
目の前にいるタクからぐりんとまた颯人に視線を移す。
だけど彼は視線を天井に向けて紫煙を吐いているだけ。
「テメェやっぱりバカじゃねぇのか?なんでそんな大事な事忘れてんだよ!?」
おぉ…すっかり空気と化していた司が、ガラステーブルをガンっと蹴飛ばした。
そんな威嚇しても、びっくりしないけれども。
「いや、ってか…は?」
頭が混乱しているわけじゃない。
ただ言われた事の意味がワカラナイ。
「心ちゃん。まず、昨日の夜の行動を思い返してみようか」
司が蹴飛ばしたテーブルを整えながら、少しブラックな笑顔を浮かべた正宗に、正直関わりたくないと思った。
でもそれも今更で、ここが何かは知らないけど彼らのアジト?らしくて、両サイドはガッチリ固められている。
逃げる事は不可能らしい。


