「…で、話戻すけど彼は颯人。城戸颯人(キドハヤト)」
金メッシュを顎で示しながら、正宗が言う。
「…お前、昨日の事覚えてるか?」
颯人が私を真っ直ぐ見据えたまま問うけれど…
昨日の事…?
私があの不細工2人から逃げて……
「…私アンタらと昨日会った?」
私のその言葉でシーンとしてしまった空間。
なんでみんなそんな顔してんの!?
…いや、確かに夜中には颯人の家にいたわけだから、会ってるハズなんだけど…記憶が曖昧で思い出せない。
正宗と修はありえないモノを見るような顔。
タクはマジで私にガンたれてる。
…颯人は無表情だけれど。
「テメェマジで言ってんのかよ!」
いち早く反応したのは…
「…誰?アンタ。つかいつから居た?」
ミルクティー色の髪の毛をピンで散らした男の子。
可愛らしい顔とは似つかない言葉遣いだな。


