ま、とりあえず可能性があるだけでも俺たちにとっては貴重な情報なわけだし。




「と、いうわけでタクもこれからは家のパーティーに顔出してもらうよ」


正宗が眼鏡の奥の目を光らせてタクを見据える。

それにゲッと言わんばかりの表情を貼り付けたタクは「…わーったよ」と歯切れ悪く返事をした。




タクが実家のパーティーに顔を出したくないのは、一般家庭の俺でもなんとなくわかる。


金と権力に塗れた歪んだパーティーなんて、普通誰も行きたがらないからな。
それが一般的な感覚の持ち主なら余計にな。



「颯人…は前から出てたけど、一応周囲をよく観察しておいて」


「…」


正宗の言葉に返事はなかったけど、颯人は元々周りをよく見てるからな。
まぁ今の言葉でより観察するんだろう。


こりゃ颯人や碧がいる方でもし、心ちゃんが出くわしたら一発で見つかるな。





「で、俺たちはタクや颯人と碧の周辺を洗ってみようか」



ニコリ、笑みを見せた正宗だが、俺には舌なめずりして獲物を追い詰めるハンターにしか見えなかった。




「…つーかいい加減寒ぃ」


「…だな」


「話も終わった事だし、ウチのお姫様の顔でも見て行くか〜?」


「いや、今日はもう帰るわ」


寒いからな。と心の中で付け足しつつケラケラ笑う修に言って、俺と奏多と碧は颯人達と別れた。






こうして俺たちは新たに陽炎と接触した族、碧の言ったパーティー関係を探ることになった。