「あら〜?昨日は大丈夫だった〜?」
私のハニーブラウンの髪の毛を一束掬って弄ぶ茶髪。
あの教師といいコイツといい馴れ馴れしいやつばっかだな、この学校は。
つうかお前ら誰だよ?
「…はぁ?」
ギロリと睨みつけながら発した言葉は、思った以上に低くて自分でもビックリした。
でもビックリしたのは私だけじゃなくて、周りにいたカラフルな頭の男達やケバい女達もだったようで。
一瞬水を打ったかの様にシンとした後、ヒソヒソと何か言い合ってこちらを観察して…いや睨んでいた。
「おーおー威勢のいい女だな」
ガッと顎を掴まれて強制的に上に向けられる。
目の前にはさっきよりも更に近くにオレンジ頭、タクがいる。
さっきから意味がワカラナイ。
目の前の無駄に整った顔をじっと睨み上げる。
と、オレンジ頭タクは途端に口の端を上げてニヤリ
不気味な笑みを浮かべて一言。
「ちょっとこっち来い」
私以上に低い声を出し威嚇したタクは、ぐっと手を引っ張って私を乱雑に椅子から引きずりおろすと、そのまま手を引いて教室を後にした。
その後ろからは教室の女の子達に手を振りながら「転入生〜?」私を指差しながら聞く茶髪。
「はっはい!」と質問の答えをを聞いた彼は、口笛を軽やかに吹いていた。


