「…ぎゃぁっ!」
「…よぉ」
いつの間に寝てたのか、私は黒のソファーの上に横たわって居て、目を開けば目の前には颯人のドアップがあった。
いや、よぉじゃないでしょ!!
変な声を出しながら、びっくりする私に対して真上から見下ろしてくる至って平常心の男。
辺りを見回しても寝る前に居たはずの正宗、司、修はいないけど、司が広げ散らした教科書はそのままだった。
シーンとした幹部部屋。
誰が掛けてくれたのか、身体に掛けてあった毛布を畳みながらソファーに座り直す。
部屋にある時計を確認すれば丁度昼の1時を回ったところだった。
颯人は立ったまま私をジッと見て顔を顰めた。
…なんでこんな顔されてんの私?なんて思っていたけど、颯人の手がそっと頬に触れた事でその理由がわかった。
…つーか湿布取れてるし。
正宗も修も司も普通に接してくれていたから忘れてたんだ。
「…痛いか?」
「いや、大丈夫。ちょっとしびれた感じがするだけ」
「そうか…」
颯人がそれ以上言葉を続ける事はなかったけど、そんな心配そうな顔されたらコッチが反応に困るよ…


