乱華Ⅰ【完】




いつまでも入り口に立っていた私に正宗が「座りなよ?」って言ってココアを差し出す。




「あ、ありがとう」



それを受け取って修の隣に腰を落とした。





あったかいココアを啜りながらほっと一息つく。



なんで平日だというのにここにはこんなに普通にみんないるんだろうか。
制服を着てない所を見ると今日学校に行く気はないらしい。





修は誰かに電話しているけどさっきから放送禁止用語がバンバン繰り出されていて、シラッとした視線をお見舞いすれば何故かウィンクされた。





…この万年発情男が。




うんざりしながら正宗をみれば、彼はパソコンを弄りながらたまになる携帯に相槌を打っていて、なにやら忙しそう。





司は教科書を開いていて未だに“はじめてのABC”をぶつぶつ言いながら眺めていた。






手持ち無沙汰になった私はつい、司がガラステーブルに広げる教科書の内一つを手に取って、まじまじと眺めてみた。



「……」




なんじゃこりゃ。