乱華Ⅰ【完】




次の日私はケガを理由に学校には行かず、倉庫で過ごしたわけだけど




朝一番鏡を見て目をパチパチと瞬かせてしまった。



何コレ!!
自分の姿をマジマジと眺めてそこにそっと手を当てる。



顔を洗うために頬にある湿布を剥がせば覗くそれ。
昨日の夜は赤かったそれが今は赤黒くなっていて、少ししびれた感じがする。
とにかく顔が悲惨な事になっていた。




男の力で殴られたらこんな事になるんだってゾッとしながら、あのまま行為が続けられなかった事に本当に感謝した。




顔がこんな事になってるって事はお腹も同様って事で…
各処に新しい湿布を貼って、スキニーのジーパンに白のニットセーターというシンプルな服装に着替えて、鳴った携帯に出た。




「着いたからさっさと降りてこいよ〜」



うんともすんとも言う前に切られたそれ。
毎度の事ながらツーツーと鳴る音が耳に自棄に響いて、この時感じた違和感を拭う様にしてコートを羽織って家を後にした。