謎の部屋から颯人と出れば、そこはなんとあの乱華の倉庫だった。
出入り口と対角線上にあったもう一つのドアが今いた部屋に繋がっていたらしい。
倉庫には修と正宗がいて、それぞれから心配する言葉をもらって
特に正宗は頻りに謝るから、颯人と同じ様に非は自分にあるんだって伝えた。
だけどどこか納得のいかないって顔の正宗に一発平手打ち。
「…これでおあいこ、ね」
「…ありがとう」
一瞬ポカーンとした表情になったけど、すぐに口角を持ち上げて笑みを作った。
これで少しは納得してくれればいいけど…
そしてつい先ほどの出来事だって思っていた私は正宗から今が夜中の12時だって聞いてびっくり。
私、そんなに気失ってたんだ…
私の怪我の具合が軽い打撲で、暫く安静にしとけって修が教えてくれて正宗からは大量の湿布を貰った。
一体どこにこんなもんあったんだよと思いながらもそれを受け取る。
そこから何故か颯人はいつもならデスクに座るはずなのに、私の隣に座ってずっと手首を撫でてくるから、ちょっとドキドキした。
だって颯人は極上の美形なわけだし、行動の意図がわからずにただ困惑するしかない。
それは私だけじゃなくて、修も正宗もだったけれど…最終的に何もなかったかの様に振舞われた。
誰か突っ込めよ!っていう私の心の声には誰も気づくことなく、それからは特に当たり障りのない会話をしていた。


