それは意識を手放す前にも聞いた声。




「颯人?」


颯人の腕の中は暖かくて私はそれにひどく安心していて…なんでなんだろうって困惑した。




「…悪かった」


「……え?」


ベットの上で抱き合ったまま、颯人は私の頬に手を滑らせて、切なそうな顔で見つめる。



そのまま私の口、顎、首と手を滑らせていきー…




「お前に、恐い思いさせた」



…それはさっきの事なんだってすぐにわかった。
私の手首を触りながら「痛かっただろ?」って聞く颯人に何も答えられない。




恐くなかったよ、なんて嘘言わない。
てか、言えない。



本当に痛かったし、恐かったけど




悪いのは、私。

一人で行動した私が悪い。




私一人で解決するんだって、颯人達に迷惑かけないんだって思ったのがそもそもの間違いで、結果みんなに迷惑かけた。

颯人にこんな顔をさせてる…




だから



「颯人は悪くないよ」