乱華Ⅰ【完】




その旨を伝えてほぼ寝らずに乱華の倉庫から心ちゃんを迎えに行ったタク。




…だけどなんで見失う?
心ちゃんが無意識のうちに見張りを撒いたのか、ただこの電話の男がポンコツなのか…
…そんな事は思いたくないので前者の線で考える事にしよう。




因みに、タクが見張りじゃないのは言わずもかな、目立つからだ。
あいつが歩くだけで歓声、悲鳴が起こるからな…




「もう俺たちも学校着くからひと気のないところを中心に探せ」



梶の運転する車の窓から徐々に見えてきた広陵高校の校舎。
心なしか車もスピードをあげて走っている様にも感じる。




颯人も電話の声が聞こえたのか、射るような視線でただ真っ直ぐ前だけを見据えていた。



頼むから変な事にはなってないでくれよな…