乱華Ⅰ【完】




〜side.正宗〜



陽炎の後処理に追われて登校時間をとうに過ぎた午前10時過ぎ、梶の運転で学校に向かっていた。




こうも陽炎、陽炎だとうんざりしてくる。
そろそろこの決着もつけなければいけないのか…と考えていると




俺のポケットにいれている携帯が振動した。




「どうした」


「すっ…すいませんっ!心さん見失いました!」


「…見失った?」


「今タクさん達と探してるんですけど…」




それは心ちゃんに付けた見張りの男からの電話。
俺の言葉に反応したのは後部座席で瞳を閉じて静かに座っていた颯人。
まぁ学校に行くと言っても、颯人は制服を着てないけど。


昨日の心ちゃんの様子からして、昨日繁華街で何かがあったのは明白だった。



そこで俺は今日一日心ちゃんを、強いてはその相手を泳がせる事にした。