決して綺麗とは言えない倉庫内がいつも以上にごちゃごちゃしている。



それは、あの日陽炎が攻め入ってきてここが戦場になった爪痕を残しているからだと正宗から聞かされた。





だけど、そのごちゃごちゃは今その上を行く事態になっていた。




「オメーらなにちんたらしてんだよ!働けこの野郎が!!」


「すっ…すいません!」



近くにあったドラム缶を足蹴にして、思いのほか硬かったのかドラム缶から返り討ちを浴びる阿呆な男。




「チッ!ふざけんじゃねぇよ何でこんな所にこんなモン置いてんだよ」



その男は1人ごちてその光景を2階の階段から眺めていた私の方に向かって歩いてくる。



寒いのかなんなのか奴の手はすっぽりと
黒いダウンのポケットに収められていた。



「…バカじゃないのタク」


「あ?なに静観してんだよ。お前もちゃんとやれや」


「やってますー今は正宗から休憩を頂いてるんですー」



私を確認したタクは階段をガンガンと踏み鳴らし、悪態をつきながら登ってくる。




相変わらずのガラの悪さ。