それから数分か数十分だったかわからないが、暫く無言だった部屋に再び俺の携帯の着信音が鳴り響いた。
それに全員ハッとなる。
今はそれどころじゃねぇ。
梨桜の事を考えてる場合じゃないんだ。
頭を切り替え「はい」携帯に出た。
「正宗、心ちゃんに似た奴が制服姿でホテル街にいるって今連絡入った!」
「ホテル街…?」
電話の相手は龍王総長の蓮だった。
俺のホテル街というワードにタクがいち早く反応して、さっきまでと違いあわあわしだす。
「あぁ。写メ見たけど、どうもそれっぽいぞ。今、後つけさせてんだけど、どうする?」
「そのままつけさせて。今から行くけど、危ない感じになったら止めろ」
「…わかった。つか、お前らなんかあったのか?」
「……それはまた後で説明する」
「…わかった。写メ転送すっから」
「…あぁ。悪いな」
携帯を切りすぐにに受信した写メは、どこからどう見ても心ちゃんだった。
「…颯人」
携帯を颯人に投げて、それを横から一緒に見たタクと颯人は、それを見るなり勢いよく部屋を出て行った。


