「………わかった。後からそいつらの名前と写メ送ってこい」
侮っていた。
まさか、そんな事を心ちゃんが言われるなんて…
話を聞き終わった俺は携帯を閉じ、ぐしゃり頭をかき乱した。
「………なんだって?」
タクが俺に近寄って俺の肩に手を置く。
タクを一瞬見て、颯人に視線を向けてから
「………梨桜」
ポツリ呟いた。
「…あ?」
「心ちゃんは梨桜の代わりだと。認めないって言われたらしい…」
「………」
無言が部屋を支配する。
タクと颯人は、その名に少なからず動揺している。
その証拠に俺の肩に置いたタクの手が僅かに震えている。
修も司も鋭い視線を床に投げつけ、何かを考えている。
“梨桜”
それは俺たちの―…
第三者が興味本位で踏み込んでいい事柄じゃ、ない。


