「よ〜オツカレ〜」
俺が部屋に入るなりよっと片手を上げた修は、ソファーに座ってタバコをふかす。
…もう戻って来てたのか。
「…アイツいなくなったって?」
修の隣り座る司が訝しげな視線を颯人に向けながら、尋ねる。
「あぁ」
「ったくアイツどこにいんだよ!」
イライラとした口調で、さっきから何回目になるかわからない電話を心ちゃんに掛けていたタクが、携帯を投げ捨てて声を荒げる。
電話は繋がるのに、出ない。
これは絶対に陽炎じゃねぇ。確信できる。
陽炎が拉致ったんなら、何らかの要求をするために連絡を寄越してくるはずだ。
そこで丁度、俺の携帯が鳴りだす。着信を確認すれば、心ちゃんの見張りをしていた奴からだ。
それに颯人、タク、修、司の視線が一斉に集まる。
「はい」
「正宗さん!女見つけました!」
「…で?何かわかったか?」
「……それが…」
そう言葉にしたまま暫くごにょごにょと言いづらそうにしている。
……なんだ?
無言になった俺に4人から痛いほどの視線が飛んでくる。


