その後すぐに倉庫に戻って、その状態に目を疑った。
ひっくり返ったバイクや、工具。
1階の倉庫の窓は割れ、その破片が辺りに散乱していて、ウチのものではない鉄パイプや金属バッドがゴロゴロと転がっていた。
至る所に転がる奴らはウチの奴らじゃなく、陽炎。
その殆どがひどい有様で、小さな呻き声がちらほらと聞こえてくる。
その周りに立つのは乱華のメンバーで、その顔や腕には出来たばかりだろう傷が目立っていた。
やってくれたな…
修が電話で言っていたヤバかったの意味が今ならわかる。
一体何人いるんだか…
「…派手にやってくれたな」
「あぁ…本当になっ!」
颯人はこの世のものとは思えない鋭い眼差しを、陽炎の奴らに浴びせて2階に上がって行く。
辺りをグルリ見渡していた俺の隣にいたタクも、意識朦朧とした陽炎の奴を蹴飛ばして2階に上がって行った。
「…コイツら全員あっちに入れてろ」
「ハイ!」
近くにいた瞬に指示をして、俺も急いで2階に上がった。


