乱華Ⅰ【完】



その後に俺と颯人も続く。
あんまり長居するとそろそろ警察も来そうだしな。



それにタクの言うとおりコイツらは下っ端だ。



あの言葉の意味も知らねぇんなら、連れて帰って問い質す意味もねぇ。



利用価値の意味を知るには香月忠士…中堅以上じゃねぇとダメって事だろ。



「正宗」


「…あ?」


「ほらよ」



いきなり投げつけた物体をパシリキャッチすれば、それは携帯。



「下っ端でも何かあるかも知れねぇからな」


「…そうだな」


「まぁ、お前の情報技術に勝るものなんてないがな」


「それはどうだか…」



乾いた笑みを浮かべる。
実際、心ちゃんの情報は引き出せなかったわけだし。



ヴーヴー



携帯がポケットの中で震えだす。
着信先は乱華のメンバー…確かクラスの奴だな。何かあったのか…?



それを確認して、携帯を耳に当てた。