「その携帯どうしたんだ?」
「…あ?殴った奴のに決まってんだろ」
…つまり、拉致する奴らは颯人にやられたってワケか?
颯人が強いから応援として呼んだって所だな…
「颯人今どこにいやがる」
俺から携帯を奪ったタクが低い声を出す。
まだ話を聞いてる途中で携帯取るなよ。
はぁっため息を吐き出し、タクを見る。
それから2、3言話して一方的に電話を切った。
「なんだって?颯人」
「近くにいるから来いだと」
オレンジの頭をガシガシと掻き、俺が胸倉を掴む男を引っ張り上げたタクはそのまま男を引きずっていく。
その後ろで俺はタバコに火をつけ、携帯を取り出した。
「修、お前今学校じゃないだろ?」
「バレた?いや〜倉庫がヤバいって司から連絡来てよ〜行ってみたらマジヤバかったわ」
ははは〜と笑いを零す修だけど、それって笑えねぇ。
「で、今はどうなんだ?」
「潰したに決まってんだろ〜?俺を誰だと思ってんの〜?」
誰だと思ってんの〜じゃないんだよ。
こんな時でも修はこのペースか。呆れにも似たため息を一つはいて、こちらの近況と陽炎の狙いを簡潔に修に話した。
「ま、詳しい話しは後だ。お前梶と心ちゃん迎えに行ってくれ。こっちはまだやる事あるから」
「へ〜へ〜わかりましたよ〜」
「…一応学校周辺にも奴らがいるかもしれないから、気をつけろよ」
「了解〜」
そこで携帯を閉じて、タクの後を追った。


