その後寒かった私は、幹部部屋にあった薄手のパーカーを借りて下に降りた。
幹部部屋の奴らもカラフルヤンキーズに混ざって、ドンチャン騒ぎだった。



みんなビール片手にわいわい、がやがや。



ただ私は正宗から「心ちゃんには前科があるからね。お酒なんて飲んだら…わかるよね?」ブラックスマイルで言われた。



はい。
飲みません。
今日は絶対にお酒は飲みません!



賑わうのを余所にシラフの私は、置いてあるドラム缶の上に腰掛ける。



ぷらぷらと足を揺らし、コンコン…音を鳴らす。



オレンジジュース片手に、ビールをカラフルヤンキーに振り掛けるタクを見ていた。



…哀れ。
周りが、哀れ。



悲惨すぎる。
ギャーギャー言いながら、逃げるカラフルヤンキーを残念な眼差しで見ていた。



「飲んでるか?」


「…梶さん」



気付けば私の隣にはウーロン茶を手にした梶さん。
その厳ついお顔とウーロン茶がなんともミスマッチですね。



「飲んでませんよ。これオレンジジュースだから」



ジっとウーロン茶を見つめる私に気づいてか、梶さんは苦笑いを浮かべる。



「俺は運転があっから」


「…そう」



だから飲めないってわけですね、と梶さんを見やれば頭をガシガシと掻いていた。