乱華Ⅰ【完】



〜side.タク〜


「なんなんだ、アイツ…」



あぁっ!
マジ調子狂う女だな。



倉庫のドアを開ければ、全員勢ぞろいかよ。



俺に視線を投げ飛ばしてくるのは颯人と正宗。
心はどうした?
そんな顔してやがる。



俺は首を2、3度左右に振り階段を降りた。



カンカンカン…



肌寒い寒空の下、俺が階段から降りる音と、エンジン音がいくつか聞こえる。



さっきまで普通だったくせに、いきなり脆くなるアイツ。



何がアイツをあんな顔にさせる?



あの日も同じだ。
―…帰りたいと言った日。



心は何に縛られてる?



言わせてぇ。
気になんだよ。



壊れそうなアイツを見てると、無性に優しくしてやりたくなる。



だけどアイツは何もなかった様な顔して、またいつも通りになんだろ。



ギィィッ



俺が階段を降りきったと同時、倉庫のドアが再び開いた。



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