そして、アタシはアメリカで勉強をした。
チョコレートのテンパリングは普通の子供ではデキないほど、
きめ細やかに、そして美しくできるようになった。
周りの大人たち顔負けの技術・忍耐力・頭脳などを身につけた。
すると、やはりコンクールに出ないかと薦められた。
「Ayaneなら、一位なんて楽勝だよ!」
と、言われたが‥‥
全部断った。
一番になったら両親を忘れちゃうの?
両親を忘れても料理を作れるかな?
料理ってアタシに取ってなんだったの?
と、いうことが頭を過ぎったから。
一位にならなくたって料理は作れる!
料理は一位になるためにあるんじゃない!
そう思った。
だが、世間はそれを「弱虫」と言ってアタシに突き刺す。
"この根性なしが!"
"勝てないと思って逃げたんだろ!"
"ホントは、料理なんて出来ないんだろ!"
変な噂まで流れる始末。
逃げるしかなかった。
逃げるようにして日本にたどり着いたのだ。

