離婚が確定してからちょうど3週間後、母は突如姿を消した。

確か、あと少しで冬休みという、学校全体が少しうわついた高校2年生の頃だった。

その日は、教師が私達の地に足がついていない状態を少しでも緩和するため小テストが実施されることとなっていた。

父の真面目さを受け継いだ私はいつもより早く起きて勉強をしようと思っていた。

起きた瞬間、違和感があった。

ねっとりとした不安が徐々に心の中に染み渡っていく感じ。

ベッドから剥いでて、寒いとか冷たいという感覚すら忘れて、私は裸足で隣の部屋と居間へ向かった。

母の姿がなかった。

狭い部屋なのだ。人の気配があるかないかすぐ分かる。