「高校に入ってから、今日ビデオ屋で会うまで都はとても遠かったよ」

圭はしっかりと私を見るのではなく、わざと視線をそらしていた。

さっきまでは、目を見て話すのが窮屈だと思っていたのに、今度は私の目をちゃんと見て欲しいと思った。

「でも、今日は都が近かった。幼い頃、俺の宇宙の話を聞いてくれてた時みたいに。でも、また今、遠ざかる」

胸が疼いた。