大勢に囲まれても寂しそうな瞳をする圭。

そんな圭を助けてあげたいと思うより強く、もっとそんな顔を見たいという衝動が私を突き上げる。

だけど、湧き上がった感情があまりにも不思議なもので、それを打ち消すように言った。

「圭は好きな子いないの?」

圭は困ったように少し眉をひそめた。

「その話しはやめよう。さてどのDVD借りよっかな」

明らかに触れられたくないという行動をされると、聞き出したくなってくる。

困らせたい。
また妙な欲望が体中をゆっくりめぐる。

「聞かせてよ」

私はぐいっと圭の腕を掴んだ。