「都は何かりるの?」

「分かんない」

ちょっときつい口調で言ってしまったけど、大人な圭は気にしていない風で続けた。

「俺はSF」

「好きだね、相変わらず」

圭の変わっていないところを発見すると嬉しくなる。

小学生の頃、風邪をひいて、皆と遊べないから圭と一緒にお喋りをしていた時があった。

圭はきらきらした宇宙の本を呼んでいた。

私も一緒に見て、圭が宇宙についていろいろなことを教えてくれるのが新鮮で楽しくて。

あの時の圭の瞳は宇宙の写真より煌めきを放っていた。