闇が音もなく近づいてくる。

その闇は私の体を蝕んで、いつか同化してしまうほどの暗さで辺りを染めていく。

殺風景といわれる、ブルーに統一された部屋。水玉のカバーがかけられたベッド、空色のカーテン、藍色のテーブルの影が濃く、伸びていく。

電気もテレビもつけず、フローリングの床に座って、ただぼんやりと黒に染められていく空を瞳いっぱいに映していた。

そろそろあの脳天気な母親から連絡がくるだろう。

それまではこの海の底のような静けさに浸っていよう。

そう決めた時だった。