「樹、助けてっ!」 夏休み。 私の家には、イトコである樹が泊まりに来ていた。 樹は高校3年生。 福岡に住んでいて、博多弁らしきものを使う。 らしき……って何って? いや、「~ばい」「~たい」とか、語尾についてないし、若干だけど関西弁に似てて普通に聞き取れる方言だから。 今日も私は、兄弟二人の所から樹の元へと避難してきたのだ。 「おっ……リンちゃん、どうしたん? またタクと圭に何かされたと?」 「うん……。とにかく、助けてっ!」 後ろには巧と圭の姿。 私は急いで樹の後ろに隠れる。