『なに?』
さっきの険しい表情とは打って変わって優しい表情になる男の子。
「あ、あの…ありがとう…」
『俺はこういうことが嫌いなだけ。別にあなたを助けたわけでないんだしお礼なんか言わなくていいんだよ?』
「でも…私を助けてくれたことに変わりはないから…」
『…あなた、名前は?』
「えっ…」
突然男の子に名前を聞かれ吃驚する私。
『俺、1週間前に引っ越してきたばっかでみんなの名前とかよくわからないんだ。教えてくれる?』
あ…だからこんな私を助けたんだ…。
知ってたらいくらいじめが嫌いでも…助けるわけないもんね…。
こんな最低な女…。
でも、一応は助けてもらったし名前は言わなきゃ失礼だよね…?
「江河芽依…です…」
『あなたが江河さん…か…』
「えっ、私のこと知ってるんですか…?」
『そりゃあ有名だからね。援交で』
男の子のいいかたにちょっとムッとする。
まぁ間違ってはいないから言い返せないけど…。
『俺は高坂直哉(コウサカナオヤ)。江河さん、ちょっと一緒に来てくれない?』
「え、でも、もうすぐホームルームがっ…」
私に有無も言わせず高坂君は私の腕を引っ張り走り出した。
