「……なんて悪趣味なんだ……」


自分はこの状況に焦るわけでもなく、
ただこの部屋の住人のセンスの悪さを心の底から感じていた


絶対オタクの住処だよ、ここ


とりあえず、寮に戻らないと…
絶対めんどくさいことになる


こんな誘拐じみたことする人なんて
普通の人じゃないって



自分は手の縄をほどこうと
もぞもぞと手首を動かした


なぜか異様に縄は緩く結んであったので
すぐに縄をほどくことができた


そのまま足の縄もほどいて、
自分は立ち上がった