弟、じゃない。だけど、弟。




食事中も、やっぱり凌は無言で。


あたしも、聞いていないのにテレビの映像だけをずっと見ていた。



やっていたのはありきたりなバラエティ番組で、たまに聞こえるお母さんの笑い声に合わせて笑っていた。



向かい側にいる凌の顔を直視できなくて、あたしの視線はずっと、テレビかカレー。



まだ心の中は落ち着いてなくて、目の前にさっきの凌がいると思うと―――鼓動がやけに早く感じて。



いつもより速いスピードで食事を完食すると、食器を流しに置いてすぐに部屋へ戻った。










凌に抱きしめられた温もり、感触。



凌の唇が触れたところ。



さっきの出来事を思い出しながら、1人赤面していた。




だって、


男の子に抱きしめられたことでさえ、初めての経験で。



ましてや、キス・・・だなんて・・・