八月某日、夜。


「あーあ……つまんないなぁ、やる事なーにもないや…」


布団に寝転んで身体に纏わり付く暑さ払うかの如く団扇で顔を煽ぎ涼みながら一言呟く。

僕の名前はトモヤ。

今年の四月、小学六年生になった。

そして、僕はこの夏休みを利用して田舎のおじいちゃんの家に泊りに来ている。

泊りに来た理由は、僕のお父さんとお母さんの仕事が忙しいから。

詳しくはよく知らないけれど、二人は同じ仕事をしていて今は特に忙しい時期らしく少しの間出張で家を空けなければならなくなったらしい。

だから二週間の間だけ僕はおじいちゃんの家に預けられる事になったのだ。

でも、何もする事がなくてつまらない日々を送っていた。

どうして、つまらない日々を送っているのか……。

ここ最近の出来事を思い返すように僕はゆっくりと双瞼を綴じた。