ヒュッ―― ドスっ 『うっ…!!』 「え――…?」 どうして…―― 目の前で何が起こったか、一瞬理解できなかった。 待って、 どうして 『何であんたが…っ』 『迷子の猫を連れ戻しに来ただけです。』 「ッ……!!」 どうして、ここに会長が――…? 『帰りますよ、松下 妃奈子さん。』 「っ…会長――っ」 会長が、人を殴るなんて―― 差し出された左手に、気付けば私は手を重ねていた…。