『謝るな。』
「え…」
『今日から3日間、その空っぽの脳みそに詰め込んでやるからな。覚悟しろよ。』
会長はそう言うと、私の頭に手を置いた。
「あの…昴様…?」
『何だ。』
「いや、そのー…。」
この手は、一体なんでしょうか?
とも、言えるわけがなく。
言葉はいつも通り傲慢で威圧的なのに、頭を撫でる手はなんだか温かくて。
「…撫ですぎです。」
『親の許可を取った褒美だ。』
頭を撫でられるなんて滅多にされたことがなくて赤面している私を笑う会長。
学校では決して見せない、本当の笑顔。
こんな顔もするんだ、会長って。
会長はやっぱり、なんだかんだ言っても優――
『さぁ、長い休憩は終わりだ。化学の続きをするぞ。』
「えっ、もう10時――」
『やるったらやる。行くぞ。』
「かっ、会長~!!」
ニヤッと怪しげな笑みを浮かべたブラック会長に腕を掴まれ引きずられる。
ーーっ
やっぱり会長なんか鬼だーーー!!
…と、心の中で叫ぶ私だった。

